Story

高校三年の冬。
泉瑛太は父親の仕事の都合で、中学生の途中まで住んでいた街に、季節外れの転校生として帰ってきた。
挨拶に出向いた柏尾川高等学校で瑛太がばったり会ったのは、福岡に引っ越して以降、連絡が途切れてしまっていた中学時代の友人、相馬陽斗。彼はとっくに部活を引退した野球部のグラウンドで、願掛けのためホームランを打とうとバットを振るっていた。最初はぎこちない瑛太と陽斗。
けれど、一打席勝負を通して、仲のよかった中学時代の感覚をふたりは思い出す。
瑛太から見事ホームランを打った陽斗は、告白してくると立ち去っていく。
その際に、瑛太に「夏目いんぞ」とメッセージを残した。